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ギャラリー>LoveLoveLoveLove特集>機材紹介>各曲の録音方法
機材紹介特集の最後のページは、各曲の使用機材やセッティングなどについて解説しようと思う。
少し変わった面白い録音方法をとっている曲もあるので、
細かい録音状況を知ってアルバムを聴くとまた少し違った表情に聴こえてくるだろう。
早速1曲目のばいばいマリーの録音方法から見ていこう。
ばいばいマリーではまずベースとドラムを同時録音して、その上からタカユキカトー・ヒロヒサカトーのギターとタカヒロ・ミズネイラのバスドラの音色のリズムマシンを、ともにラインで、盛り上げるために同時録音し、それから歌を録音するという少し変わった方法で録音作業が進められた。
@タカユキカトーのギターはJayro JNG-800Bで、VOXのToneLab(アンプシミュレーター)を通してMTRに。
Aヒロヒサカトーのギターはテレキャスターで、MTRの入力のゲインつまみで激しく歪ませている。


チープな打ち込みの音と、これもチープなツインベースの音が印象的なクリーニング。
まず打ち込みの音に合わせてヒロヒサカトーがルート弾きのベースを録音し、その上にタカユキカトーがベースでハーモニーをつけた。
それからギターを2本重ね、歌を録音し、最後にドラムが録音された。
@使用ベースはともにRiverHeadのスタインバーガータイプで、ヒロヒサカトーはFenderのProsonic Amp、タカユキカトーはJC-120につなげて録音した。
左側から聴こえるギターは、ジャガーをMarshall JCM-2000につなげたもので、テンポチェンジ後から右側に聴こえるギターは、Jayro JNG800-BをGuyatoneのアナログディレイにつないでこれもMarshallのJCM-2000から出力したものだ。両方ともタカユキカトーが弾いている。
打ち込みではYAMAHAのソフト音源S-YXG50を使用し、アナログドラムキット、オルガン、シンセ、グロッケン、ビブラホン、ピアノの音色にDAWソフト側でさまざまなエフェクトをかけている。
Aまた打ち込み全体の音をステレオで再生してテープレコーダーの簡易マイクで拾ったローファイな音も薄く重ねてある。


キルミーは、まずクリックと仮ギターと仮歌に合わせてドラム、ベース、タンバリン、ギター、キーボード、歌、と順に録音するというオーソドックスなパターンだ。
ちなみにこのアルバムで録音時クリックが使用されたのはこの曲のみである。
この曲ではギターが7パートも録音されていて、基本的にはタカユキカトーはジャガーをマーシャルアンプに、ヒロヒサカトーはテレキャスターをフェンダーアンプにつないで録音している。
その中でも特に興味深いパートを紹介しよう。
@まずイントロのもやがかったようなギター。
右に聴こえるギターがタカユキカトーの演奏で、クランチサウンドにセッティングしたMarshall JCM-900の前にアナログディレイをつなげてジャガーを弾いている。
左から聴こえてくるギターはヒロヒサカトーの演奏で、ごく軽いクランチサウンドにセッティングしたFender Twin Reverbの前に、KATANA-SOUNDの神風(オーバードライブ)とMarshallのディレイEH-1 ECHO HEADをつないで録音したもの。
この2つのパートを左右に置くことで、ねじれた空間ができあがっている。
A「殺して行ってくれないか」の部分で入ってくる激しく歪んだギターはタカユキカトーによるもので、これはジャガーをラインセレクターにつなぎステレオにして、片方はBixonicのExpandoraを通してJC-120に、もう片方はLittle Big Muffを通してマーシャルのJCM-900につないで耳が痛いほどの大音量にセッティングし、5メートル程離れたところにステレオでマイクを置いて録音したものだ。
BixonicのExpandoraは歪みエフェクターで、モード切替スイッチが2つついており、2つともオフにするとファズのようなノイズや音切れまみれの音になるのだが、2:45あたりに右から聴こえてくるノイズなどは、このエフェクター特有のものである。
Bその後出てくるギターソロはヒロヒサカトーによるもの。
テレキャスターをBOOT-LEGのJAZZ FUZZとMarshallのディレイEH-1に通してFender Blues Jr.につなげて、似たような違うフレーズを2回弾いていて、
それぞれリアPUでのトレブリーなセッティング(右)と、フロントPUでウォームなセッティング(左)で弾いたものをミックスしている。
またキーボードはKORGのX50を、VOXのAC30につなげて両方のスピーカーにマイクをたてて録音したものだ。



クラシックロックと秋葉原文化が融合したようなこの曲。
録音方法は非常にチープで、まず口ドラムを録音し、
それに合わせてギター→手拍子→マンドリン→歌→しゃべりという順番で録音している。
ギターは当時故障してリアピックアップの出力が極端に小さくなっていたGretschのSilver Jetを直接MTRにさして、
MTRの入力ゲインつまみで歪ませて録音されたものだ。
生楽器をマイクで拾った音の中にライン入力の不自然なギターの音がまざっているので新鮮なサウンドに仕上がっている。
伝統的なロック然としたスタイルのこの曲の録音では、特に変わったことは行われていないので早速ギターのセッティングを紹介しよう。
@左側から聴こえてくるヒロヒサカトーのギターはこの曲でもテレキャスターで、エフェクトペダルはBOOT-LEGのJAZZ FUZZ、MXR Phase 90、MarshallのディレイEH-1、アンプはMarshall JCM-900だ。エフェクトペダルを曲中切り替えて、1曲通して弾いている。
このアルバムの録音でのヒロヒサカトーの使用アンプは全てFenderのアンプだが、この曲では唯一Marshallを使っている。
タカユキカトーのギターは3パート録音されており、1つ目は右から聴こえるクランチサウンドのギターで、Jayro JNG-800BをFender Twin Reverbにつないだもの。
全曲でMarshallを使用していたタカユキカトーがこの曲ではFenderを使うというのが、ヒロヒサカトーとは逆で興味深い。
A2つ目はこれも右側に聴こえてくる激しく歪んだギターで、これはジャガーをBixonicのExpandora、Little Big Muff、MarshallのディレイEH-1に通してMarshall JCM-2000で鳴らしたものだ。
ビッグマフをオーバードライブでブーストしてまろやかな歪みを作っている。
もうひとつのパートはアコースティックギターで、ヒロヒサカトーのGibson Blues Kingを借りて弾いている。


アルバム中唯一アコースティックなこの曲は、録音やミックスも非常にシンプルなものだ。
編成は、アコースティックギター、タンバリン、マンドリン、手拍子、トライアングル、歌。
手拍子にだけディレイがかかっていて印象的である。
なぜかこの曲ではタンバリンをタカユキカトーが叩いている。
アルバム最後を飾るのはまたストレートなこの曲。
まずはギターのセッティングから紹介しよう。
右から聴こえてくるのはヒロヒサカトーのギターで、
テレキャスター→MarshallのディレイEH-1→Fender Twin Amp。
左から聴こえてくるのはタカユキカトーのギターで、
ジャガー→Bixonic Expandora→Marshall JCM2000。
これは二人のベーシックなセッティングと言えるだろう。
歪んだ音で間奏と後奏でリフを弾くリードギターはタカユキカトーのグレコのレスポールモデルEG-500の音で、これもMarshall JCM-2000につなげている。
アコースティックギターはタカユキカトーが拾ったというモーリスのギターを弾いたもの。
この曲で特筆すべき点は、曲の途中でベースの奏者が替わるところだろう。
ほとんどタカユキカトーが弾いているのだが、途中2:26あたりからスラップで入ってくるベースは、『ばいばいマリー』、『キルミー』、『自殺の水族館』でベースを弾いているサポートプレイヤーで、透明トマトのタンノトモノリが弾いている。
3:08からはまたタカユキカトーのベースに戻る。
よく聴いてみると、この切り替わりが場面転換のような効果をもたらしていることがわかる。
またイントロやサビで聴こえる手拍子と歓声は、タカユキカトーとタカヒロ・ミズネイラの大学のバンドサークルの友人をスタジオに集めて録音したもので、マイクを2つ立ててその周りをぐるぐる回りながら録音したもので、非常に楽しい雰囲気を作っている。


■収録曲
●2008年10月9日発売 / 500円
●ディスクユニオン(*1)でも販売中。
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